商品の詳細
13.3×19.5㎝
【題箋】無し。各本、1丁目に「内題」らしきものあり。
・上 俳諧三部抄 上俳諧大概
本四季発句
・中 俳諧三部抄 中付合
見習記
・下 俳諧三部抄 上俳諧大概
末四季発句
【因みに】
単純に、「三冊の内容」から眺めてみると、上巻の「俳諧発句之躰大略 春之部・夏部」に続くとすれば、それは下巻の「秋部・冬部」なのだろうと思う。ただ、なぜそんな風になったのか。
その大きな原因は、下巻末に「刊記」が記されていることだと思われる。この「刊記」がなければ、「上巻→下巻→中巻」となっても何等不自然さは無い。
加えて、出品本より文字の線が細いが、文字の配置、文字自体も全く同じ早稲田大学図書館蔵本を見つけたのだが、この本にはなぜか、わざわざ題箋の横に朱筆で「上巻・中巻・下巻」と加筆されている。解説に依ると「深江屋太郎兵衛 延寳五(1677)年刊の写本」とある。この部分は
三月廿日あまり七日の日に一時軒下にをいて記す
延寳五丁巳霜月吉祥日 深江屋 太郎兵衛板行
とあるのだが、その前にある
石に善し わらふかことし 春の山
の句に続くものと思われていた結果のようだ。
これは、「盆石の記」の末尾に添えられた句である。
結論を言えば、朱筆で上巻・中巻・下巻と書き加えた人の「責任?」かもしれない。
出品本は便宜上これに倣っただけである。
【参考】
出品本と早稲田大学図書館蔵本とを比べてみた。
後者の「下巻」の刊記の記された裏には朱筆で「昭和十三、八、六 校合」とあり、何カ所か「墨書」で正しい文字で訂正されていた。
【画像9・10】は末尾部分だが、右端の「の寶とせられんはことに」の変体仮名「は」間延びした形になっているのを訂正してある。こんな箇所が全体にいくつか存在する。
他には朱筆で「ヽヽ」や鉛筆で「??」なども加えられている。つまり、「深江屋 太郎兵衛板行」を透き写ししたときの写し間違いを正したもの。出品本はまちがいなく「深江屋 太郎兵衛板行」を正確に透き写ししているようだ。
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上巻 全54丁
俳諧三部抄序 讃産屡空菴(左側に「瓢箪の印」) 1丁表
俳諧大概 3丁表
俳諧発句之躰大略
春之部 5丁裏
夏部 35丁表~54丁裏
中巻 全丁56丁
寓言躰見習記 1丁表
後俳諧不得道下手皮
顔厚撰
付合作者 51丁表~56丁表
下巻 全68丁
俳諧三部抄
秋部 1丁表
冬部 17丁表
作者國分 付句數 31丁表
讀人不知 十句
山城
飛鳥井栄雅一 烏丸亜相一
連哥師宗長一 桜井永仙一
大徳寺澤菴和尚一
霊山長嘯一 智鑑上人一
四明山下丈山一 勝尾義空一
里村昌池?一 同氏昌隱一
松永貞徳 二 松江雅舟二
同氏近吉 一 北村季吟一
高瀬梅盛 一 冨尾似船二
~ 以下略 ~ 41丁表
俳諧三部抄 下一人百句 【内題】42丁表
咋中吟
一人百句 43丁表
春部
夏部 45丁裏
秋部 49丁表
冬部 50丁表
帷中吟 付合次第不同 52丁表
雲砂松江之住人二見一木所望 62丁表
柿本人麿の贊
【刊期等】
三月廿日あまり七日の日に一時軒下にをいて記す
延寳五丁巳霜月吉祥日 深江屋 太郎兵衛板行
※全体的に、経年によるくすみ、汚れあり。
※経年による紙の劣化、袋部分の破れ、変色、斑点状の染みあり。
※梱包材の再利用に努めています。ご理解下さい。